ラインスタンプの制作費って、いくら位が妥当なのだろうか?
40個のデザインを数千円で請負うデザイナーもいれば数十万円で請け負うデザイナーもいます。
ラインスタンプもそうですが、デザイン(知的財産)の制作費用の設定は人それぞれであって「定価」の概念はありません。
同じ個数のスタンプを作るのになんでそんなに差があるの?平均的な金額って幾ら位なの?
そんな疑問を持っているお客様(依頼主様)は意外と多いです。そんな方々に向けて「どこに」「どの位」のお金が掛かってっているのかを
知ってもらうために詳しく説明をしていきたいと思います。
ここで説明をするのは全ての工程をきちんと作業しているデザイナーの仕事としての「基本的な金額」です。
(他のデザイナーのアイデアを流用したり、スケッチやラフ画すら書いていない人もいます。そんな雑な仕事の費用はわかりません)
まず、LINEスタンプが完成するまでには下の【1】~【4】までの作業工程が必要になります。
【1】スタンプの企画(内容、セリフやシチュエーション)を考える。
【2】キャラクターのデザインを考える。
【3】スタンプ(8個~40個)のラフを描く。
【4】スタンプ(8個~40個)の本画制作。
それぞれの内容と平均的な金額を順を追って説明していきます。
スタンプの企画というのは、どんなラインスタンプにするのか?という「スタンプの設計図」です。
通常でしたら「どんなスタンプにしたいのか?」を考えたうえでデザイナーに依頼をしてきますので、デザイナーが1から企画する事は
あまり一般的ではありませんので、金額には入れない場合が殆どです。
まれに「スタンプの内容やセリフ、シチュエーション等もご意見を頂きたい」や「全てをお任せします」というご相談も受けます。
その場合は企画を考える時間やアイデアが発生してきますので、当然ですがその費用も掛かってきます。
「おはよう」を「おはよーサン」にするだけでイメージが変わってきます。書体もゴシック体にするのか丸文字にするのか?
文字の色は何色にするのか?縦書きなのか横書きなのか?決めなければいけない事って沢山あるんです。
お客様に好まれるであろうコメントやポーズを1から考える訳ですから、一番の要と言っても良いかもしれません。
文字の色や書体位でしたらキャラクターとのバランスを見ながら臨機応変に調整していきますが、何一つとして企画を考えていない状態でしたら8,000円位はご請求させて頂きたいですね。
お客様自身で既に持っているキャラクターをラインスタンプに使うのでしたらキャラクターデザイン費用は掛かりませんが、
スタンプに使うキャラクターのデザインから依頼をするのでしたら、当然そのキャラクターのデザイン費用は掛かります。
(キャラクターのデザインというのは、スタンプに登場させるキャラクターですので、スタンプの制作費用とは全く別です。)
キャラクターのデザイン費用はピンキリだと思いますが、一般の方を対象としたデザインコンペの賞金が50,000円前後です。
一般の方を対象にしたコンペですから、提出も「手書きOK」だったりします。
Illustratorの技術を持ったデザイナーにデザインを依頼する場合、この50,000円を大幅に下回る金額というのは妥当だとは思えません。
無名のデザイナーに依頼をするとしても、50,000円~100,000円が無難な金額だと思います。
たまに「何体ものキャラクターを登場させて下さい」という要望を受けますが、キャラクターは1体ごとにデザイン費用がかかります。
当然ですが・・・
実際にスタンプを作る作業の料金になります。
全てのスタンプが正面を向いた直立不動ではありません。色々なアングルや仕草がありますので、まずはラフ画を作成していきます。
1枚ごとにラフ画を書いて構図やアングル・バランスを決めていくのですから、当然絵1枚ごとに費用が掛かってきます。
ランサーズやクラウドワークスなどで破格の金額で制作を請け負っているデザイナーはラフ画など書いていません。
自分のイラストを使い回すなんて当たり前で、無料画像サイトや他のデザイナーが作成したスタンプのデザインや構図を流用している悪質な
デザイナーも沢山います。
手間も時間も掛からないので常識では考えられない様な金額で制作できるのです。
DESIGN-151Aでは、通常のオリジナルキャラクターにおけるポーズ違いの制作費は1ポーズ7,000円で請け負っておりますが
ラインスタンプでは1ポーズ2,500円で制作しています。
オリジナルキャラクターのポーズ違いは800PX(ピクセル)×800PX(ピクセル)のワークボードで制作しており、拡大されることを
前提に作り込んでいますので細かい部分まで調整を行っております。
一方ラインスタンプの制作サイズは370PX(ピクセル)×320PX(ピクセル)が最大値で、これ以上拡大しての使用はありません。
実際に表示されるのはもっと小さなサイズになるでしょう。
あまり細かい箇所に手を加えてもわかりませんので、通常のポーズ違いよりもラフに作成しています。
この金額の差は「作り込みの度合い」と「制作時間の違い」からです。
【1】~【4】まで、全ての金額が掛かったとして、制作費用は17,8000円となります。(スタンプ40枚制作の場合)
スタンプ1枚の単価やキャラクターデザイン費用を若干値引きしたとしても、100,000円を下回った金額では仕事量と対価のバランスが
とれていません。)
私が考える中で、個人のイラストレーターでも、この位の金額を請求しないといけないのではないかと思います。
デザイン会社に制作を依頼したらこの数倍以上になってくるかと思います。
ラインスタンプの適正な価格としては40個のスタンプを作った場合、キャラクターデザイン費込みで
150,000円前後位ではないでしょうか。
会社や店舗のラインスタンプでしたら、それ自体が「宣伝」にもなります。
しっかりと見極める必要があるかと思います。